こんにちは。ライターのharuです。
季節はすっかり冬になりましたね。
温かいスープや鍋が楽しみなこの季節に欠かせない、調味料の王様と言えば“醤油”。

今回は、明治43年(1910年)の創業からの製法を守り続けて醤油作りをしている、島田市川根町にある『マルイエ醤油川根本家』さんをご紹介します。

 

昔は町に1つはあったという醤油屋。
木の桶を使って、手作り醤油を作り続けているのは今や静岡県でも3軒ほどしかないのだそうです。

こちらは仕込みから全てを手作業で行い、安心で安全な美味しい醤油を作り続ける4代目ご主人。

『マルイエ醤油川根本家』さんでは、そんな伝統ある貴重な蔵を4代目自らが案内してくれる、“蔵見学ツアー”があります。

一歩、蔵へ足を踏み入れると、ふわっと醤油の香り。

そして、目に飛び込んでくるのは背よりも大きな木桶!これには圧倒されます。

ツアーでは見学をしながら、醤油作りの工程を教わることができます。
麹作りの作業中は麹室を40℃に保つ必要があり、温度管理がとても重要なのだそうです。

4代目:「この作業をしている数日は何をしていても温度が気になってしまうんですよ。数時間ごと見に行って、少しでも温度が上がれば中の窓を開けて調節しています。」

この日は、麹室は空だったので、写真を使って説明してくれました。
出来上がった麹と食塩水を混ぜあわせ約1年~1年半、桶に寝かせ、発酵させていきます。

 

桶の中を覗かせていただきました。こちらはもうだいぶ熟成しているもろみですね。
かき混ぜた感じや泡がブクブクと上がってくる感覚などで、そろそろいい時期だと分かるのだそうですよ。

 

マルイエの仕事を継いで18年になる4代目ご主人。「“機械を通すと味が変わる”という先代からの教えで、今も伝統を守り続けています」と話してくれました。

 

先ほど見せて頂いた“もろみ”がいよいよ“醤油”に変わっていきます!袋にもろみを入れ、

この大きな木に重りの石を付け、もろみの入った袋を押して、絞り出していきます。
こうして醤油ができるんですね!

重りの石もたくさん!

重りの石を吊るした時に出来た跡があるの、わかりますか?
石の重さは軽いもので30kg、重いものは70kgくらいあるそうです!

 

見学ツアーは小学生くらいのお子様や、大人の工場見学としても楽しめること間違いなし。
見学ツアーは完全予約制です。見学希望の方は電話での予約をお願いします(ツアー時間約10分~15分)。

是非、本物の醤油の香り、空気を感じに行ってみてください。

 

 

見学ツアーの後は、女将さんが温かく迎えてくれました。
囲炉裏がまた風情あります。

 

女将さんは鹿児島から川根にお嫁に来て、何も知らないところから、醤油や味噌のことを学び、一昨年には実家のお米を使って、マルイエの新商品”けいこのおみそ”も作っています。

 

そして昨年からは、“甘酒教室”や“ぬか床教室”などもスタート。
発酵食品の素晴らしさや、心と体を整え、元気にすることの大切さを伝える活動にも力を入れています。
甘酒は料理で砂糖の代わりに使う事も出来るし、飲む点滴なんて言い方をするほど、体にいいんですって!

家族の健康を担う主婦としては、私も参加してみたいなぁ!
子どもと一緒に学ぶのもいいかもしれませんね。
教室も要予約です。

 

 

伝統ある醤油や味噌などの商品をはじめ、塩麹、醤油麹、麹の販売もしています。

 

器や箸置きなど、雑貨も販売しているので、お醤油と一緒にお土産にするのもいいですね。

 

その他、“麹茶”や“甘酒カクテル”など、女将ならではのアイデアで誕生したものがたくさん。

 

 

「私がこうしていろんなことに挑戦できるのも、安定した作り手がいて、伝統をしっかりと守ってくれているからこそ」と話す女将。

夫婦でそれぞれの角度から、この『マルイエ醤油川根本家』を守り、さらに進化させているんですね。

 

買い物に来ていたお客さんが、「毎年贈るのを楽しみにしてくれているから、いつもお中元とお歳暮はここのお醤油と決めているのよ」と教えてくれました。

地元の方にも愛され、親しまれています。

 

今回体験させていただいた、伝統ある醤油蔵見学ツアーでは、私たちの生活に欠かせない”醤油”の作り方だけではなく、これからも大切にしていきたい昔ながらの風習や、食の大切さなど、考える機会をもらえる素敵な時間になりました。

島田に来たら是非、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
どこか懐かしく、そして元気を貰える場所ですよ。

 

 

『マルイエ醤油川根本家』

住所:島田市川根町家山796
電話:0547-53-2212
営業時間:10:00〜19:00