桜がほころび始める季節。愛用の一眼レフカメラをリュックに詰め、東京発の新幹線に乗り込み向かうその目的地は「大井川」ひたすらフォトジェニックな風景を巡る、女子4人の1泊2日の旅の始まりです。


Webや冊子を通して、いわゆるインスタ映え”するスポットが多くある地域であるという情報はざっくりと入手済み。東海道本線金谷駅を降り、どんな景色を見られるのかな…という期待を胸に、レトロな雰囲気の漂う大井川鐵道に乗り換えます。

 

SLの車窓より、移り変わる景色を堪能


SL「かわね路1号」の周りにはすごい人だかりが…人と人の隙間を縫うようにして頑張って顔を出し、SLの正面顔の撮影になんとか成功。
車内に乗り込むと、大正時代にタイムスリップしたかのようなレトロな空間が広がっています。本当に動くのだろうかと心配になるような扇風機、キュッとした幅の通路、大井川の川の色を彷彿とさせるような深緑の座席。


サービス精神旺盛な車掌さんの軽快なトークをBGMに、SLはどんどん進んでいきます。民家、茶畑、桜並木、雄大な大井川…移り変わる景色を目の前に、子供たちも大はしゃぎ。
道の駅プラザロコで購入した特選幕の内弁当をもぐもぐ口に運びながらふと外の景色に目をやると…。線路沿いから、畑の中から、カメラのレンズ越しに、民家の中から窓を開けて、ありとあらゆる様々な場所から老若男女がSLに向けて手を振ってくれているのです。旅は始まったばかりですが、その光景を目にしただけで早くも、来れてよかったなあと感じてしまいました。

 

あぷとラインに乗って、更なる秘境を目指します


新金谷駅から大井川に沿ってぐんぐん北上し、SLの終点である千頭駅まで到着したら、今度は可愛らしいサイズの南アルプスあぷとラインに乗り換え。ほぼ貸切状態の電車でゆっくりと、更に上流を目指します。

 

進むたびに山道はどんどん険しくなっていきます。背の高い木々をくぐり抜け、鉄橋の上をガタガタ車体を震わせながら進んでいく様子に、落ちてしまうのではないか…というちょっとしたスリル感を覚えつつ。停車する駅は無人駅ばかりでしたが、長い間人々に大切にされてきたんだなと感じさせるような佇まいに、なんとも言えない郷愁を感じました。



アプトいちしろ駅では、貴重な車両の連結シーンを目撃することができました。アプトいちしろ駅から隣の長島ダム駅に至る間の坂道(アプト式区間)は、日本一の急勾配とも称される場所なんだとか。

 

奥大井湖上駅]の絶景スポットに到達


奥大井湖上駅に到着。高所恐怖症の人にはきっと恐ろしいに違いない高さの鉄橋を渡り、非常に険しい階段や登り道を必死に15分ほど歩き抜き、ようやくたどり着いた坂の上から見下ろす景色は…


想像以上の絶景!赤い鉄橋を渡る人々が、ゴマ粒のように小さく見えます。雄大な山々に映える水面の青。まるでジオラマのような風景が広がっています。
広角レンズ(風景をより広く撮影することが可能なレンズ)の持参を忘れてしまったことを、この時ほど後悔したことはありません。大切なことなのでもう一度言います。どこかの誰かさんみたいに単焦点レンズしか持参していなかった場合、絶景スポットの全体を写すことが叶いません。大井川の絶景スポットを訪れる際には、広角レンズをお忘れなく!


雄大な景色をたっぷり堪能した後は、再びアプト式電車に乗車。行きに来た道を反対方向に辿って、千頭駅へと戻ります。


第2章に続く