旅の締めくくりはSL乗車で。家山駅より乗車し、金谷駅を目指します。

大井川鐵道は、SLの年間走行日数、総走行キロや現役運行台数が日本一の鉄道会社です。SL乗車券は全席指定で3ヶ月前より発売開始。新金谷駅など、現地でも当日に乗車券を購入することは可能ですが、観光シーズンには売り切れてしまうことも。事前に購入しておくことがオススメです。

大井川沿いの雄大な風景、茶畑の広がるのどかな風景の中を走るSLはとても人気。桜シーズンである今の季節に乗車できるのは何とも奇跡的な巡り合わせ…と、乗る前から気持ちがはやります。

 

家山駅にてSL乗車

桜の名所としても有名な家山駅周辺には、びっくりするほどの人だかり。春休み最終日というタイミングもあって、団体の観光客の皆さんがたくさんいらっしゃっていたようです。

家山駅のレトロな木造駅舎は、映画やドラマの撮影によく利用されます。かの超有名映画『男はつらいよ』や『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ地にもなっているそうです。木造駅舎の魅力をたっぷりと伝えるために、人が少ない午前中のうちに写真を撮っておく必要がありました…。ちょっとした後悔を胸に抱きつつ。

 

改札をくぐり抜けホームに足を踏み入れた際にも、誰か線路に落ちてしまわないだろうかと心配になるくらい人が溢れていました。なんとか乗車予定の車両の位置まで辿り着き、ワクワクしながらSLを待ちます。

 

 

金谷駅に向かって出発

座席はあっという間に満席に。家山駅を出発したSLはまず、大井川第一橋梁を渡ります。広い河川敷をどんどん渡って行きます。手前にはSLの煙、奥には向こう岸まで架かる鯉のぼりが見えます。

 

このシーズンだからこそ見ることができる、車窓ごしの桜。

 

煙のススのついた窓も、なんだか良い味を出しています。

 

大井川鐵道のSLは、昭和初期(昭和10~20年代)に製造されたものです。車内はまさに“昭和レトロ”といった雰囲気で、タイムスリップをしたかのような不思議な感覚に。扇風機や栓抜き、木製のデッキなども当時のまま残されています。

 

静岡、大井川といえば、この景色。新緑の美しい茶畑の中をSLが駆け抜けます。三脚に固定した一眼レフを構えたカメラマンや、地元の方々、観光中の家族など、様々な人の姿も確認できます。SLに向かって手を振ってくれる人もたくさん。

 

風景にうつる影を見てみると…なんと、SLの形をしています。

 

あっという間に終点の金谷駅に到着。

 

 

旅の締めくくり

どんな人が乗っていたのだろうと、改めて周囲を見渡すと、家族連れ、カップル、一人旅…おそらく、私たちのように県外から訪れた人や、海外から訪れた人も多くいると思われます。SL乗車体験は、老若男女どの世代にも楽しいと感じてもらえる稀有な体験の一つと言えるのではないでしょうか。もし大井川地域をはじめて訪れ、どこに行こうか、何をしようか迷っている友人・知人がいるとしたら“まずはSLに乗ってみて”とお勧めしようと思っている次第です。

SL乗車を終え、乗り換えて新金谷駅から金谷駅まで向かう途中、前日は曇天のため見ることがかなわなかった富士山が姿を現し、我々を見送ってくれました。旅の締めくくりにふさわしい、幻想的な光景でした。

1泊2日という短い期間の滞在にも関わらず、非常に濃密な時間を過ごすことができました。また近い将来、大井川地域を再訪したいものです。