川根といえば川根茶ですよね。え?知らない?

大井川流域のかなり広いエリアを占める川根地域は、かなり昔からお茶の生産が盛んだったらしく、一時期はヨーロッパで生産される紅茶の原料としてかなり大々的に輸出されていたようです。
現在では高級茶の一つとして全国の銘茶を並べたら必ず出てくるようになっていますね。

さて、静岡出身の人からお土産としてもらったことで始めてその存在を知った「お茶羊羹」。
なにより最大の特徴は、一口サイズ(実際には一口にはちょっとデカイ)に包装されていることです。
で、包装をほどきながらひと口食べると、口の中いっぱいにお茶の風味が広がり、甘さとお茶の苦味のバランスがとってもよくて、もちろんお茶でもいいけど赤ワインと合わせてもいいという素敵なスイーツなのです。

どうやらこのお茶羊羹、お店によっていくつも種類があって、それぞれ味も違うということがわかりました。

早速地元静岡出身の知人の協力を得て調べてみたら、大井川エリアだけで五軒もお店があり、それぞれがオリジナルのお茶羊羹を作っているというではありませんか!
これはもう全部買いに行くしかありません。

そういうわけで、全部買ってきました。そうです、自転車(ロードバイク)でお買物です。

そしてすべてお土産として持ち帰り、会社のスタッフで食べ比べをしてみました。

 

新生堂

大井川鐵道の終点となる千頭駅から北に進み川根大橋を渡ってすぐにある「新生堂」さん。駅から少し歩かなくてはならないので、何度か千頭駅に来ていますが、今回が初めての訪問です。

看板には「元祖川根銘茶ようかん」と書いてあります。「元祖」ですからいきなり期待が高まります。
お店の方に「元祖なんですね!元祖ください!」と興奮気味にお願いしたら、苦笑いされました。

肝心のお味はというと、 生のお茶っぽい 蒸した後のお茶のような香り ねとっとしていて芋っぽさを感じます。
スタッフの間では「お茶の香りが強い」と評判でした。

 

 

三浦製菓

SLが止まる駅でもある家山駅から少し北に行ったところにあります「三浦製菓」さん。
こちらの羊羹は丸い筒状になっているのが特徴です。下から押し出して、つるっと食べやすい形状です。
お茶羊羹で検索すると、まず最初にこの三浦製菓が出てきます。
写真はありませんが、茶どら焼きもなかなか美味しかったです。


一番甘みが強く、一般的にイメージする羊羹らしい羊羹です。お土産で買っていくと一番すんなり受け入れられやすい羊羹ではないかと思います。お茶の苦味や渋みが苦手がお子様でも食べられそうです。

ちなみに三浦製菓がある家山駅の近くには、抹茶たい焼きが食べられる(おでんもある)「たいやきや」もありました。

 

 

昇陽堂

地名駅の近くにありますが、車ではスルーしてしまう場所にあるので、知らない方も多いのではないでしょうか。今回はここを目指してやってきました。

地名駅あたりから坂を登るのですが、キツイです。写真では平和そうに見えますが、店主に「どっちから登ってきたの?」と聞かれて「地名の駅から」と答えたら「あぁ、それは一番キツイわ。」と言われたくらい。
正しくは、地図でいうと北側または南側から少し迂回しつつ向かうのが良いようです。

今回購入した5種類の中で「お茶の風味」をいちばん強く感じる羊羹です。お茶の香りも強く、一番個性がある印象です。ほうじ茶のような香ばしさを感じるという声も。

ちなみにこの昇陽堂さんの名物は「わさび大福」なのだそうです。

これは初めて食べたかも!甘い中にほんのりわさびの香りと味が潜んでるのですが、冷やしていないといけないらしく、買ったらすぐ食べるのが基本!とのことです。

 

光林堂

これまでに一番食べた回数が多いのがこちら「光林堂」さんの羊羹。
車だと通り過ぎてしまいそうなので要注意です。

もっちりしていますが、歯ごたえは少し柔らかめです。他の茶羊羹より少し緑色が抑えめで、なんだか手作り蒟蒻のようにも見えます。みずみずしく、親しみのあるお茶羊羹です。

 

杉本屋

なぜか杉本屋さんの写真を撮っていませんでした、ごめんなさい。代わりに最寄駅である「千頭駅」を自転車で行った証拠付きで。

一番便利な千頭駅前にある「杉本屋」さん。緑色が濃厚で緑茶度も高く、食感も柔らかいです。

 

まとめ

今回初めてこれだけのお茶羊羹を買い集めえ食べ比べをしてみました。お茶羊羹と言っても同じではなく、それぞれ個性があり、味も香りも異なりました。もちろんご覧のようにパッケージもそれぞれです。

どのお店も老舗であり、こだわりの製法で作られ、オリジナリティーをいうのを守ってきたんだろうと思います。これからも長く愛される川根茶のお茶羊羹を作り続けてほしいと願っています。

この他にも「お茶羊羹」の看板や幟を立てているお店は数あれど、オリジナルではなくどこかのお店のものを扱っているのだそうで、今回見つけることができたのはやはりこの五軒でした。

どのお茶羊羹が一番人気だったかというと。。。

好みが別れました。味覚も好みも人それぞれですね。ぜひ興味のあるお茶羊羹からお試しください。全種類買ってきて、大井川のお土産としてみんなで分け合うというのも良いですよ。