こんにちは。大井川流域の逸品と、それに携わる人々の楽しい物語をお伝えしているライターのゆかです。
今回は、アイデア豊富な商品が人気のお茶屋さん「たむらのうえん」をご紹介します。
行列ができるお茶やさんってどこにあるの?
「たむらのうえん」さんは、静岡県島田市川根町でお茶や野菜を栽培、販売している農家です。
店舗は構えず、キッチンカーでイベントなどに出店しています。毎週土曜日は、島田市博物館そばの川越街道にある『荷縄屋』で販売しています。
茶葉はもちろん、抹茶ドリンクやスムージー、野菜などを販売。イベントで出会ったお客さんの口コミで、出店時にはお客さんの列ができるほど人気です。
一風変わった経歴のオーナー、農家になったきっかけは?
お店に立つのは「たむらのうえん」代表の田村善之さん。
川根町の農家で生まれ育ち、東京の大学に進学。そのまま東京で就職し、アパレル会社を経て介護の仕事をしてました。
その頃、ご年配の方にお茶を淹れると皆さんから「おいしいね」ととても喜んでくださったそうです。子供の頃からお茶が身近にあった田村さんにとっては当たり前の飲み物でしたが、静岡県外の人にとってのお茶は、おいしくて喜ばれるものなのだ!と気づかされました。
そこから“お茶農家である実家・故郷川根”へ意識が向き、お茶農家になる決心をされたそうです。
モットーは“農業をサービス業に!”
田村さんの名刺には「農家」の肩書の前に“農業をサービス業に!”と書かれています。
“農家”というと、作物を作ってお店に卸すまでが仕事というイメージですが、田村さんはその先のお客さんが「おいしい!」と味わってくれるところまでを「農家」の仕事と考えます。
「自分が丹精込めて作ったお茶を、どんな人が買ってくれているのか、単純に知りたいから直接売っているんですよね。」と話す田村さんは、お客さんに直接販売することにこだわっています。
直接販売することでお客様のニーズを知ることができ、お客様も作った人から直接話を聞くことで、安心感と信頼感が生まれ、リピーターになってくれるのだそうです。
他ではあまり売っていない、マニアック?なお茶も扱います。
静岡茶といえば、“やぶきた”茶。“やぶきた”というのは静岡で開発されたお茶の木の種類のことで、県内で栽培されるお茶の9割はこのやぶきた茶です。
色がきれいで味も良いので、やぶきた単体でも楽しめますが、特色のある別のお茶とブレンドされたものも多く販売されます。
田村さんが目を付けたのは、このブレンド専用のお茶 “おくひかり”と“おくみどり”。
一般的にはやぶきたとブレンドされてしか売られないこの2種類のお茶の葉を、それぞれ単体で販売しました。すると、やぶきたよりも好みだと、喜んでくださるお客さんがいらっしゃったそうです。
数は少なくても、ひとりでも多くのお客さんの好みにあうものを売っていきたい という想いが伝わります。
お茶だって見た目も大事。思わず手にするパッケージ
田村さんは、お茶そのものだけでなく、パッケージにもこだわります。
「いくらおいしいお茶を作っても、お客さんの手に取ってもらえないと意味がない」という想いから、パッケージのアイデアから制作まで、ご自身でされています。
たとえばこちらのSLのパッケージ。
SL観光を満喫した後に、思わず手に取りたくなるパッケージです。
こちらはかわいい上に、旅先から思い出をお友達や家族におすそ分けできるお茶、その名も“メッセージTEA”。
ハガキと同じサイズのパッケージで、メッセージと住所を書いて、このまま切手を貼って送ることができます。こんな素敵な郵便を受け取ったら、思わず顔がほころびますね。
他にも、ちょっと笑える一言やお礼の気持ちを載せた熨斗のデザイン、SLの詳しい情報を載せたデザインなど、どれもアイデア豊富で、全部紹介できないのが残念です。オリジナルデザインもできますので、ちょっとしたお祝いやお礼に作ってみてはいかかでしょう?
『たむらのうえん』
住所:〒428-0104 島田市川根町家山755
TEL:080-1183-3419
メール:info@no-en.com