子どもと一緒に大井川鐵道のトーマス号を見に来たら雨に降られちゃった~
でも、止みそうな気もするんだけど、この後どうしよう?

そんなママへ、子どもも夢中になれる、ママには癒しパワーいっぱいの散策を、地元金谷の4児ママの私がご案内します!

 

江戸の名残、旧東海道の石畳坂へ

突然ですがみなさん、旧東海道はご存じですか?

旧東海道は、徳川家康が関ヶ原合戦に勝利した翌年の慶長6年(1601)に、徳川幕府を開くよりも先に、江戸―京都間の人馬と情報の往来幹線として整備された道。その道中に53ある宿場町のひとつが、ここ島田市金谷なんです。

一つ前の島田宿から金谷宿へは、島田と金谷を結ぶ大井川を渡りますが、江戸時代は今の鉄橋もなく、人足によって連台や肩車で川越しをしていました。その大井川からしばらく歩いた先にあるのがここ、石畳坂です。

石畳は、雨が降っていたり、雨上がりは石が滑りやすいので、スニーカーでのお出かけがおすすめです。

 

 

国内に3箇所しかない、貴重な石畳坂なんです。

この石畳は、江戸時代に幕府が近郷集落の助郷に命じ、東海道金谷宿と日坂宿との間にある金谷峠の坂道を、旅人が歩きやすいように山石を敷き並べたものであると言われています。そして、30mを残す以外はコンクリートで舗装されていたところを、平成3年に町の方たちによって430mが復元されました。

街道の石畳で往時を偲ぶことができるのは、この金谷坂のほかに、箱根峠、中山道十曲峠の3か所だけとなったようです。

貴重な石畳、一歩一歩、いろんな想いを感じながら歩けそうですね。

 

さすが石畳坂。旅人の足の無事を祈るお地蔵様にごあいさつ。

石畳を上り始めると右側に、「仁誉地蔵尊」があります。昔、足の病に苦しんでいた仁一という方が、坂の入口にあった地蔵尊を毎日拝んでいたそうです。ある日、夢枕に地蔵尊が現れてお告げがあり、旅人の足の無事を祈っていたところ、仁一の足の病もよくなっていたといわれています。 

上る前に、無事に石畳を往復歩いて来れますように「いってきます!」とお地蔵さんに声をかけて行ってみよう。戻って来た時には、「ありがとう」の感謝も忘れずにね。

木々の癒しパワーをもらいながら、自然探し!

さて、この石畳坂、ただ歩くだけじゃもったいない。
石畳の周りをよ~く観察しながら歩いていると、いろんな実や花がいっぱい!

この丸い実、子どもたちが見つけたらすぐに取りまくっちゃいそう。そして、取ったものをなんでもポケットにしまいたがるので、ビニール袋を持って行くといいですよ。

この実は、“ヤブミョウガ”といって、8月ころ白い花を咲かせ、初秋に球状の実をつけるそうで、食用なんだそうです。といっても、子どもが口に入れないように注意してくださいね。万が一お腹をこわしたら大変ですから。

次に見つけたのはこれ、子どもも大人も好きですね!

この辺では、“オナモミ”なんて言ってますが、実は“コセンダングサ”なんです。私もその名前、知らなかったわ~。

ひっつき虫?くっつき虫?なんて言われていますが、黄色の花が枯れて緑のフサフサになったものは、服にくっつきます。こっそり子どもたちの背中にいっぱいくっつけたり、子どもたちとタッグを組んでパパの背中や髪の毛にいっぱいくっつけたり、も~笑いが止まらない♪(想像しただけで爆笑な私、うちの場合、51ですから…笑)

でも、周りに人がいないかは確認しましょうね。ふざけすぎるとぶつかったりして危ないので。

そして、子どもたちとワイワイしながらも上の方を見ると、大きな木々がいっぱい。そよ風になびく木々の間から差す太陽の光を見ているだけで、心がほっこり癒されます。

 

受験生をお持ちのママは必見の、すべらず地蔵!

こんな風に草花に夢中になって歩いていると、ずらりと並んだ赤い旗が。その先には“すべらず地蔵尊”があります。

長い間、旅人の足元を守ってきた「滑らない山石を敷いた石畳」に因んで、お地蔵様を「すべらず地蔵」と呼んでいます。

そして、「安全に、滑らず、転ばず、着実に進めるように」と試験合格、健康長寿、家内安全、商売繁盛などを願い、お参りする方が多く訪れます。 

 毎年1月に、合格祈願祭も開催されています。

うちの長女も高校受験の時におばあちゃんと来て、合格祈願の鉛筆やお守りを買いました。そのおかげか、無事に高校合格できました!!

ここを訪れた方が書いた、お願いごとの絵馬がたくさんありましたよ。

中学受験、高校受験、大学受験などを控えているお子様をお持ちのママさん、お子様と一緒にぜひ足を運んでみてくださいね。小さなお子様でも、転んでケガをしないようになんてお参りするのもいいですね。

さぁ、まだまだ続く石畳を上りますよ!

 

天まで伸びる大きな宿り木にパワーをもらおう

他の木に寄生する木と言われる「宿り木」。

寄生なんて言うとちょっと気持ち悪い感じもしますが、実は神聖な植物とも言われています。真冬でも枯れない縁起のよい植物であり、「困難に打ち克つ」という花言葉もあります。

何かに悩んだ時、この木を眺めていたら乗り越えられるパワーをもらえそう。じーっと見れば見るほど、吸い寄せられていく気がしました(私を木の一部にされては困るけど…笑) 。

宿り木にパワーをもらったのか、吸い取られていたのか(笑)、そろそろ足が限界なんですが…。

  

石畳坂を上り切った先には…!

子どもと上ったらどっちが先にバテるんだろうと思いながら、膝が笑うのをこらえ必死に歩くと、見えて来たよー!眩しい光が! 

は~い!到着! 

上りきった達成感が半端ない!

我が家では、島田市内周辺8キロくらいの道のりをお弁当持ちで歩き遠足することがあるので、平坦な道は歩き慣れてるけど、さすがにこの坂道、上り坂は短い距離でもしんどかった~。

 

辺り一面に広がる牧之原台地の絶景。

石畳坂を上りきった先は、お茶畑が広がる牧之原台地。お茶の香りにも癒されます。

オシャレな看板の『自家焙煎珈琲アルム』さん。
こちらはちょっと大人な感じ。 

パパと二人だったら絶対入ってみたい!

道中に咲く彼岸花もとってもきれい♪
(よそのお宅に咲いてる彼岸花なので、子どもが採らないように気をつけてね) 

そしてこの先には、粟ヶ岳に「茶」の字が見えるポイントがあります。

粟ヶ岳は、島田市と掛川市にまたがる標高532mの山。山頂からは広大な茶園、大井川や南アルプスや富士山などが見渡せます。そして、山頂付近には阿波々神社があり、遠州七不思議のひとつ、「無間の鐘」の伝承があります。

そんな粟ヶ岳に「茶」の文字が!

この写真でいうと、看板のすぐ左。山のところに「茶」の文字が見えるかな?

山に描かれたこの「茶」の文字、ずーっとお茶の木で作られていると思っていた私。実は、ヒノキだったんです。一番初めに作られた時は松だったんですが、虫にやられ、ヒノキに植え替えたそうです。子どもに聞かれたときに、危うくウソを教えちゃうところでした。またひとつ、お勉強になりました♪

この先も菊川坂といって石畳坂は続いていきます。そして、東海道三大難所のひとつと言われている「小夜の中山峠」も菊川坂の先に待ち構えています。どんな険しい道のりなのか?気になるところではありますが、また次の機会に行ってみたいと思います。

さぁ、ここから戻りますよ~!
(この日は、雨上がりの異常な暑さにおばさんの私はバテ気味ですが…)

  

再び石畳坂へ。ハートの石を見つけよう!

先ほどの石畳坂の終わり口から、今後は下りて行きます。
滑らず軽快に歩けるポイント、それは、足裏の土踏まずに石の隅をひっかける感じで、ちょっと体を横向きにして歩くと速い、速い!

 でもここでは、歩くのに必死になっちゃぁダメダメ!

 実はこの石畳に敷き詰められてる石の中に、ハートの形の石があるんだって!
そんなこともすっかり忘れて、途中まですごい勢いで下りてきた私ですが…


これかしん?(あっ、方言が…。「これかしら?」の静岡弁です)

 ん~…なんか違うな~

 これか!? 

 ハートに見えなくもないけど。

これでどうだ!

全然違った!?

結局、どれがハートの石だったのか、見つけられなかった~。
ちょっと悔しいから、次は子どもたち連れてハートの石探しをリベンジしたいと思います!

そんなこんなで、出発地点の『meguri石畳茶屋』まで戻って来ました。

 

雨上がりだから…幻想的な景色も見れるかも!?

この日は見れませんでしたが、石畳坂は山の中腹から山頂に繋がっているので、雨降りや雨上がりは濃い霧が発生しやすく、辺り一面真っ白になることもあるんです。木々の中で見る霧は、とても幻想的。雨の日にしか見れない景色です。

運動不足を感じているママも、スニーカーで石畳を歩きながら、遠い昔に起こった出来事や歴史を感じてみたり、子どもたちと一緒にいろんな自然の発見を楽しんでみてはいかがですか?