こんにちは。大井川流域の逸品と、それに携わる人々の楽しい物語を皆様にお伝えしているライターのゆかです。

今回は大井川の“いい温泉”『川根温泉ふれあいの泉』さんでの新しい取り組みと、それを考えた伊藤支配人をご紹介します!

 

すでに全国的にも有名!SLが見える人気の温泉施設

『川根温泉ふれあいの泉』へは、島田市街から県道63号線を北へ、川根ののどかな景色を見ながらの約25分のドライブで到着します。

大井川鐵道の普通列車に乗って行くなら『川根温泉笹間渡駅』で下車。線路沿いを歩いて5分ほどで着きます。

その大井川鐵道といえばSL、そして最近ではトーマス号が走る事で有名ですね。『川根温泉ふれあいの泉』では露天風呂から大井川を渡るSLやトーマス号に手を振ることが出来るんです。

*トーマス号の走行日は大井川鐵道HPで確認してくださいね。

 

温泉施設なのに“ついでに温泉”くらいがちょうどいい!?

『川根温泉ふれあいの泉』は開業して18年。開業当時から今までずっと、常連さんや遠方からのお客さんでいっぱいの人気の日帰り温泉施設です。

その人気はSLが見えること、温泉の泉質、だけなのでしょうか?その秘密について支配人の伊藤さんに聞いてみました。

伊藤さんは支配人になって4年半。

以前は温泉とは無縁の職業だったそうで、初めの2年くらいは温泉業務について学んだり、今後のことに想いを巡らせていたそう。
そして2年を過ぎたころから、楽しいアイデアで賑わいを目指すイベントを始めました。

「これね、最近やったイベント。“温泉カレー”って聞いたことないでしょ?」 

川根温泉よりもさらに北にある、寸又峡温泉ホテル『翠紅苑』さんの“ダムカレー”がとても人気だそう。伊藤さんは「それ、いいねぇ!」とヒントにしてイベントを企画。

どんなイベントなのかというと、島田市近隣の各温泉施設でオリジナルカレーを作り、そのカレーを食べに温泉地を巡ってもらおう!というものです。

 

「温泉カレーを食べに来た人が、ついでに温泉に入ってくれればそれでいいんだよね。人が来てくれることが大切。そして自分の施設だけじゃなくて、みんなのところも回って人の流れができることが大事だと思ってね。」

温泉に入りに来るのは普通のこと。でもこれからは、温泉やSLに頼るだけではない集客をしたいという伊藤さん。
温泉に入らなくても、面白そうなことがあればつい行ってみたくなりますね。

 

「ともに賑わう!」を目指した楽しいチャレンジ

他の施設や地域を巻き込んで、そして『川根温泉ふれあいの泉』のお客さんも巻き込んで楽しめる、伊藤さんのチャレンジをいくつかご紹介。

 

チャレンジ1:ほかの温泉地を巻き込んでお互いに宣伝し合う!

 先述の『翠紅苑』さんと一緒に、寸又峡温泉と川根温泉のどちらにも寄ってくださいね、という割引チラシを配ってみようという実験をやっているそう!

ともにお互いの温泉地を宣伝をするという、信頼関係があるからできるチャレンジです。

↑大井川流域の温泉施設のパンフレットが川根温泉の入り口すぐのところに置いてあります。楽しいイベントのチラシはこちらでチェック!

 

チャレンジ2:地域の皆さんを巻き込んで花を楽しむ!

春は桜が楽しめる大井川鐵道沿い。そこで、桜よりも開花が少し早い“ハナモモ”を植えて、春の景色を長く楽しんでもらおうというチャレンジです。

温泉敷地内の線路沿いに植えられているハナモモ。取材時は冬なので花は咲いていませんが…

 

花が咲くとこんな感じに(イメージです)。

鉄道に乗って訪れる観光客の皆さんに、窓から見える春の景色を楽しんでもらえたら、という伊藤さんんの想いに地域の皆さんも共感!

川根温泉の最寄駅である川根温泉笹間渡駅周辺の鉄道沿いへ、ハナモモを植える協力をしてくれました。伊藤さんも地域の草刈りを手伝うなど、お互い様の関係が築けているなんて素敵ですね。

きっと開花時期には、観光客も地域の皆さんも鉄道沿線の景色を楽しみつつ、温泉にも足を運びたくなりますね。

 

チャレンジ3:コテージをリニューアル!ママたちを巻き込んで楽しんでもらう!

『川根温泉ふれあいの泉』には宿泊施設『ふれあいコテージ』があります。

コテージは全部で10棟あり、それぞれ定員数によってサイズが異なっています(詳しくはこちらをご覧ください)。

 

リニューアルしたのは、4人棟の2棟。今まで内風呂(温泉)のみでしたが、半露天風呂と坪庭も付けて今まで以上にくつろげるコテージとなりました。

この半露天風呂が素敵なんです!

浴槽はきれいな色合いの信楽焼、そしてお湯は美肌効果のある炭酸泉。これは是非入ってみたい!!
これも伊藤さんがこだわって選びました。

SLやトーマス号を見に来たお子さん連れのご家族にはぴったりの宿です!ママには嬉しい効果のある炭酸泉、パパの疲れのとれる天然温泉もあります。食事は自炊やバーベキューもできますし、仕出しも頼めます。温泉施設内にもレストランがあるのでそちらを利用するのもいいですね!

↑お部屋では囲炉裏も楽しめます!

家族旅行で宿泊先を決定する際に、“ママ”の影響力が大きいと見た伊藤さん。そこでママたちを巻き込んで、泊まりたい!と思えるコテージへとリニューアルしたそうです。

確かに、ママがご機嫌であることって、家族みんなが楽しむ上で大事なポイントですよね。ママである私は思わず納得しちゃいました。

もちろん家族連れだけでなく、お友達同士でもカップルでも、ゆったり楽しめますよ。

↑外には広いバーベキュー棟もあってワイワイ楽しめます!

「温泉に癒されながらのんびり宿泊して、SLや川根路を楽しんでもらえたら…『川根温泉ふれあいの泉』がその拠点になるといいな。」と伊藤さんは話してくださいました。

 

みんなとつながる楽しいことを、一歩ずつ。

「最初の一歩は小さい方がいいんだよ。エネルギーもそんなに費やさないし、失敗してもリスクも少なくて済むしね。」

 実際に試した中では、意外と不評だったり、失敗もあったそう。お客さんや地域の方からの要望や意見も真摯に受け止めてさらに次の一歩へと変えている伊藤さん。

みんなとつながって、小さなことでも楽しいことを積み重ねてやっていくことが『川根温泉ふれあいの泉』の賑わいの秘密なのですね。

 ↑取材中、偶然ジェームス号に遭遇!思わず手を振る伊藤さん

 

伊藤さんのチャレンジはまだまだ続く!

 「これやろうよ!と投げられたボールは受け止める。そしてこちらもすぐ投げてみる。最初からできない理由を探さずにとにかくやってみる。そんなことを繰り返していくと自然といろんなアイデアが湧いてくるんだよ。」

と伊藤さんは楽しそうに語ってくださいました。

 きっと『川根温泉ふれあいの泉』に行くたびに、楽しいことがありそうですね!

 食事処をのぞくと、もしかしたらの皿洗いをしながら次のチャレンジを考えている伊藤支配人を見ることもできるかもしれません(忙しいと手伝うそうです。そんな伊藤さん、素敵!)。

 

食事をするだけでもよし、ついでに温泉に入ってもよし。
楽しいチャレンジを見つけに『川根温泉ふれあいの泉』へ是非遊びに行ってみてくださいね!

 

『川根温泉 ふれあいの泉』

住所:〒428-0101静岡県島田市川根町笹間渡220
営業時間:9002100
休館日:毎月第1火曜日(変動あり)
駐車場:あり
TEL0547-53-4330